『蝶が来る庭』どんな花を植えると、どんな蝶が来るかがわかる本
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「バタフライガーデンってたまに耳にするし、ちょっと気になるけれど、もっと具体的な魅力を知りたい」なんて思っている方、いらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方におすすめしたい本、それが『蝶が来る庭 バタフライガーデンのすすめ』です。
著者曰く「バタフライガーデンはイギリス由来のナチュラルガーデンで、自然を生かし、吸蜜源植物や食草を植えて蝶や昆虫を呼ぶように作られた庭のこと」。
実際に著者が手入れしているバタフライガーデンで撮影された、美しい蝶と花の写真が満載のこの本は、バタフライガーデンの魅力を雄弁に伝えてくれるでしょう。
このページでは『蝶が来る庭 バタフライガーデンのすすめ』について紹介します。
『蝶が来る庭 バタフライガーデンのすすめ』の概要
『蝶が来る庭 バタフライガーデンのすすめ』は、昆虫写真家の海野和男さんが、ご自身のお庭で撮った花と蝶の写真を満載にした、吸蜜源植物を図鑑形式で紹介しているバタフライガーデン入門書です。
2021年に、草思社から出版されています。
「どんな花を植えると、どんな蝶が来るのか」をメインテーマに、200種の花、130種の蝶を収録した、蝶と花を楽しむナチュラルガーデンの作り方の本です。
144ページ、フルカラーです。
- ぼくのバタフライガーデン
- バタフライガーデン春
- バタフライガーデン初夏
- バタフライガーデン夏
- バタフライガーデン秋
- ベランダのバタフライガーデン
- 里山の植物で作るバタフライガーデン
- 宿根草の入手の仕方
- チョウの一生
- デジカメやスマホで観察記録……ほか
『蝶が来る庭 バタフライガーデンのすすめ』海野和男(Amazon)
海野和男さんのバタフライガーデンについて
この本の舞台となっているのは、長野県小諸市にある海野さんのバタフライガーデンです。
自然の草地と林に加えて、100坪ほどの花壇があり、80種ほどのチョウが見られるそうです。
花壇では宿根草をメインにして、園芸店でもなじみ深い一年草も植え、一年中花が絶えず咲いているとのこと。
また、このガーデンでは絶滅が心配されるチョウも発生してしているので、生息環境の手入れなどに工夫をこらされているようです。
バタフライガーデンの始めの一歩
「チョウが好む花を植えれば、そこにはバタフライガーデンができます」
「花壇に植える植物をチョウの好みに合わせるだけでいいのです」
そんな海野さんの言葉通り、バタフライガーデンづくりの最初一歩はすぐに踏み出せます。チョウが好む花を知り、ご自宅のガーデンに植えてみてください。
そこで疑問に思うのが、チョウが好む花にはどんなものがあるのか、ということですよね。
その疑問に植物図鑑形式で答えているのが本書です。
紹介されている花の入手
この本は「春から秋までの季節の中で、どんな花を植えると、どんな蝶が来るのか」がわかる植物図鑑のような構成になっています。
植物は花の盛りの季節ごとに分けて紹介されているので、自分のガーデンの開花スケジュールと照らし合わせて、花不足の時期を補ってくれる植物を見つけたりできるようになっています。
紹介さえている植物の多くは、大きめの園芸店などで手に入ると思います。
なかなか見かけない花などがあるときは、開花時か植え付け適期に園芸店に行くことで出会える可能性は高まると思います。
一部の野草などは、近所を散歩して見かけたら種をもらってくるといいでしょう。
チョウの「集客力」
この本では、吸蜜源植物を一つずつ紹介していく項目の中で、「集客力」というものが設けられています。
「集客力」とは、その植物がチョウを呼び寄せる力を5段階で表したもので、これがとても参考になります。
もちろん、各家庭のガーデンそれぞれの環境や条件が違えば、訪れるチョウの種類も違ってきますし、「集客力」の評価も多少は違ってくるのだとは思います。
でも、一般的な家のガーデンに植えられる植物の数は限らてしまっているので、あれもこれもとにかく植えてみて実験するなんて難しいですよね。
なので「これなら期待できそうだ」と思えるような指標があることは大変ありがたいです。
集客力〈5〉は、この花には必ずチョウが来るという超おすすめ。〈4〉はそれに次ぐもの。〈3〉はその花をとても好む特定の種類がいるもの。だそうです!
この本の著者「海野和男」さんについて
海野和男さんは1947年東京生まれの昆虫写真家です。
少年時代は昆虫の魅力にとりつかれ、チョウの採集や観察に明け暮れていたそうです。
昆虫写真の草分け的な存在とされています。
海野さんは広角レンズを使った接写により、昆虫の周囲の環境を風景として捉える作風を得意とされています。
なんと200冊近くの著作があるそうです。
youtubeチャンネルも開設されていて、チョウの動画も投稿されていますよ。
海野和男さんとバタフライガーデン
海野さんは自然保護の重要性を伝える活動も行っており、バタフライガーデンの紹介にも力を入れています。
海野さんの写真は、美しい昆虫の写真というだけでなく、自然への親しみを深めるきっかけを提供し、生物多様性の重要さや、人間と自然の調和の大切さを伝えています。
生きものたちは「生きている姿が一番素敵」だと、命が躍動する瞬間を捉えることに情熱を注がれています。
バタフライガーデナーさんへのおすすめポイント
海野和男さんは「バタフライガーデン」をテーマにした本を2冊出版されています。
- 『花と蝶を楽しむ バタフライガーデン入門』 1999年に刊行
- 『蝶が来る庭 バタフライガーデンのすすめ』 2021年に刊行
この2冊はバタフライガーデナー必読の教科書と資料集といった趣きで素晴らしい内容となっているので、ぜひ両方読んでみてほしいです。
『花と蝶を楽しむ バタフライガーデン入門』
『花と蝶を楽しむ バタフライガーデン入門』は、自分の庭に蝶を招き入れたい方々に向けた入門書です。
蝶のプロフィールや生態、蝶を引き寄せる蜜源植物や食草の選び方、バタフライガーデンのつくり方について、季節ごとに綴られるご自身のバタフライガーデン日記、ガーデンのサイズに合わせたデザインの提案など、バタフライガーデンに関すること全般にわたって分かりやすく紹介されています。
この本は写真もたくさん掲載されてはいますが写真集という趣ではなく、文字数が多くてとても読みごたえがあります。
文章で色々な情報を理解していくのが好きな方には特におすすめです。
ただ、こちらの本は現在手に入りづらいかと思います。
もしかしたら図書館などで所蔵しているところもあるかもしれません。読む機会があればぜひ目を通してみてください。
『花と蝶を楽しむ バタフライガーデン入門』海野和男(Amazon)
『蝶が来る庭 バタフライガーデンのすすめ』
先述した『花と蝶を楽しむ バタフライガーデン入門』が、バタフライガーデンに関すること全般を網羅的に取り扱っているのに対して、こちらの本『蝶が来る庭 バタフライガーデンのすすめ』は、吸蜜源植物をメインテーマとして取り上げて、深く展開している本です。
この本は内容の有益さもさることながら、チョウと花の美しい写真集ともなっていて、海野さんの本領が遺憾なく発揮されています。
その美しい写真集をめくりながら、自分のガーデンにどの植物を迎えようかとあれこれ思いをはせる時間はガーデナーにとってとても豊かな時間になることでしょう。
『蝶が来る庭 バタフライガーデンのすすめ』海野和男(Amazon)
まとめ
この記事では『蝶が来る庭バタフライガーデンのすすめ』の概要や、著者の活動、読みどころなどをご紹介しました。
次の文は本書の「はじめに」の中に書かれている一文です。
花に囲まれていると幸せな気持ちになりませんか? 花のまわりをいつもチョウが飛んでいれば、もっと幸せになること請け合いですです。花はチョウやハナバチを呼んで受粉してもらうために美しくなったのですから、チョウのいない庭は不自然と言わざるを得ません。日本には「蝶よ花よ」という言葉があります。日本人は昔から、チョウの舞う花畑に癒されてきたのだと思います。
このようなあたたかい思いで撮影された写真が本書には溢れています。
ぜひ手にとってゆったりと眺めてみてください。
そして素敵だなと思う花があれば、ガーデンの一角に植えてみてはいかがでしょうか。