『日本のチョウ』日本で出会う蝶の全てをフィールド写真で見分けられる本
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住宅地に建つ家のお庭やベランダにやって来るチョウの多くは「身近なチョウ」です。
そしてたまに、あまり見慣れないチョウの来訪もあるかと思います。
「このチョウ初めてみるかも?」
そんな時はぜひ『フィールドガイド日本のチョウ』という本を開いてみてください。
この本には日本で出会えるチョウの全てが掲載されているので、この中に必ず載っているのだという安心感でじっくりと調べられます。
もちろん「身近なチョウ」たちについても詳しく解説されていますよ!
このページでは『フィールドガイド日本のチョウ』について紹介します。
『フィールドガイド日本のチョウ』の概要
『フィールドガイド日本のチョウ』は、日本チョウ類保全協会によって作られたチョウの図鑑です。
誠文堂新光社から出版されています。
2012年に刊行され、その後2019年に増補改訂版が出ています。
日本に生息するチョウ全種と迷チョウなど外来種の合計268種を網羅していて、その全てのチョウがフィールドで撮影した生態写真で紹介されています。
343ページ、フルカラーです。
- 日本に生息するチョウ全種と、一時的に飛来・発生する迷チョウ、外来種の合計268種を網羅
- すべてのチョウをフィールドで撮影した生態写真で紹介
- 種ごとにオス・メス、翅の表・裏の写真を掲載し、識別点を明解に図示
- 種を同定しやすい検索表が充実、チョウと誤りやすいガも掲載
- 生息環境や行動に加えて、現在の生息・保全状況を記述
- 全ての掲載種の生活史や分布を図示
『フィールドガイド日本のチョウ』には、日本で出会えるチョウ268種がこの一冊にギュッと凝縮されていて、どのチョウも実際の自然の中で撮影された美しい生態写真と共に紹介されています。
フィールドに持って出かけることが想定されているため、本のサイズは12.4 x 1.6 x 20.6 cmと手ごろなサイズです。
そのため一つずつの写真は少し小さめなのですが、とにかく膨大な生態写真が掲載されていて、圧巻です。
基本的には各チョウのオスとメスの表翅と裏翅それぞれの写真が4枚載っていて、中には季節型の変化などを追加して8枚近く載っている種類もあります。
チョウを区別するための観察のポイントが、写真の部分を指して端的に解説されていて、とても分かりやすいです。
よく似た種類のチョウが隣同士に掲載されていたりと、比較しながら識別するポイントも示されていています。
そのほかに各チョウの生態や生活史や行動パターン、生息環境や分布図、さらには保全状況まで解説されています。
また、チョウ全般に関する情報も載っていますよ。
「標本」は、チョウの翅の美しい色柄を余すところなく観察できるように展翅されているのが見所ですが、「生態写真」は、私たちがガーデンで目にするときの姿やポーズそのものも把握できるので、実際に出会って見分けるときにピンときやすいのが利点だと思います。
『フィールドガイド 日本のチョウ』日本チョウ類保全協会(Amazon)
この本の編者「日本チョウ類保全協会」について
日本チョウ類保全協会は、特定非営利活動法人で、チョウをシンボルに自然環境を守る活動をされています。
わたしたちはチョウをバロメーターに、自然を守る活動をしています。
近年、チョウたちがどんどん姿を消しています。それは、チョウが暮らせる森や草原などの昔からの自然環境がなくなってきたからです。
そのため、わたしたちは、自然環境の再生や改善をしながら、チョウたちが飛び交う自然を戻すための活動を実施しています。
チョウは自然環境の変化に敏感な生きものであり、チョウの変化を見ることで、自然環境がどのように変わっているのかを知ることができるのだそうです。
同協会のWebサイトには、チョウを介して日本の生物多様性を守るために行っている進行中のプロジェクトなどが掲載されています。
Webサイト「庭のチョウ」
同協会は「庭のチョウ」というWebサイトも運営されています。
こちらは、身近な自然である「庭」を通して、自然環境の変化を明らかにするために行われているチョウ類調査で、誰でも自分の家の庭で観察されたチョウの記録を登録することができるサイトです。
登録された情報は、おおまかな地点の記録として共有されるので、それを見ると、どんな地域でどんなチョウが観察できるのかを知ることができ、とても興味深いです。
バタフライガーデナーさんへのおすすめポイント
この本はタイトルにも「フィールドガイド」とある通り、チョウを観察しに各地を訪ねる方を主な対象とされてはいますが、バタフライガーデナーにとっても見逃せないものになっています。
バタフライガーデナーにとって有益なのは、地域ごとの「身近なチョウ」が紹介されている点です。
山や樹林のまわりや草原など自然環境の豊かな場所にはたくさんの種類のチョウが生息していますが、住宅地に建つ家の庭やベランダにやってくるのは「身近なチョウ」がほとんどです。
この「身近なチョウ」たちの特徴をおさえて頭に入れておくだけで、ガーデンにやって来たチョウの目星がぐんとつけやすくなりますよ。
本書では以下の地域区分で「身近なチョウ」がピックアップされています。
- 本州から九州で身近なチョウ30種
- 北海道で身近なチョウ15種
- 沖縄県で身近なチョウ15種
もちろん「身近なチョウ」以外のチョウの来訪もあると思いますが、それもこの本があれば安心です。
日本で出会うチョウの全種類が載っているので、きっとこの本の中にいますから。
また、チョウの生態を知ると、そのチョウをガーデンに招くために植えるとよい植物や、ガーデンデザインのヒントにもなります。
チョウを見分けられるようになると、バタフライガーデニングはもっと楽しくなる!
バタフライガーデナーのみなさんに、ぜひ手にとってご覧いただきたい一冊です。
『フィールドガイド 日本のチョウ』日本チョウ類保全協会(Amazon)
まとめ
この記事では『フィールドガイド日本のチョウ』の概要や、編者の活動、読みどころなどをご紹介しました。
この本は「野外での観察の楽しみを通して、自然環境の現状を知り、チョウが生息する環境を後世に引き継いでゆく上で本書が役に立つことがあれば、私たちにとっても大きな喜びです」といった思いで制作されています。
Amazonなどのレビューでもたくさんの方から高評価を得ている人気の一冊です。
チョウが好きな方も、ガーデニングが好きな方も、自然環境の保護に関心をお持ちの方も、ぜひお手にとって眺めて、読んで、観察を楽しんでください。
きっと自然の美しさや大切さを再認識されますよ!