図解でわかる!アオスジアゲハを見分ける1つの特徴|好む花や食草を植えて庭に招こう
「あの蝶は、何という蝶なのだろう?」
庭や公園で優雅に舞う蝶に出会って、その名前を知りたい、種類を見分けられたらと思ったことはありませんか?
蝶を識別できれば、その蝶が好む植物を庭やベランダに植えて、招くこともできます。
この記事では、「アオスジアゲハ」の生態と、見分けるための1つの特徴を、図解を交えてわかりやすく解説します。
また、アオスジアゲハが好む花や食草についても紹介し、あなたの庭にアオスジアゲハを招くためのアイデアを提案します。
この記事を読めば、次にアオスジアゲハを見かけたとき、きっと自信を持って見分けられるようになり、その魅力をもっと深く楽しむことができるでしょう。
アオスジアゲハの生態や習性
学名: Graphium sarpedon
科名:アゲハチョウ科
サイズ:大型
成虫の出現時期:5~10月(東京近郊)
年間の発生回数:多化性
越冬態:蛹
分布:本州(北部では稀)・四国・九州・南西諸島
生息環境:明るく開けた林縁環境
幼虫の食草:クスノキ科
成虫の食性:訪花性が高い
飛び方:やや高所を、すばやく飛び続ける
アオスジアゲハは、温暖な地域でよく見られる蝶で、関東地方より北では主に沿岸部に生息しています。
特に晴れた日には活発に活動します。
蜜を吸うときの姿が特徴的で、口吻を曲げず、まっすぐ突き刺して吸います。
また、オスは羽化直後に地面で吸水する姿がよく観察されます。
アオスジアゲハを見分ける1つの特徴
① 全体の色や模様
【表】黒い翅の中央に鮮やかな水色の帯があり、後翅には赤や橙の斑点もある
【裏】同様の模様が見られる
春型は帯が太くて色が淡く、夏型は帯が細くて青緑色が鮮やか。
オスかメスかは腹部や後翅内縁の反りなどで識別するが、遠目で見分けるのは難しい。
アオスジアゲハを惹きつける植物
自宅の庭やベランダに蝶を招きたいなら、その蝶を惹きつける植物を植えるのが効果的です。
蝶を惹きつける植物には、「食草」と「蜜源植物」の二種類があります。
幼虫のための食草と成虫のための蜜源植物を両方揃えることで、アオスジアゲハが好んで訪れる庭をつくることができます。
幼虫の食草
蝶の幼虫は特定の植物を食べて成長します。
これらの植物は「食草」や「食樹」と呼ばれます。
蝶のメスは卵を産むために自分たちの食草を探しているので、ガーデンに食草を植えると蝶が訪れる確率がぐっと高まります。
食草は、蝶の種類によって異なります。
アオスジアゲハの幼虫は、クスノキ科の植物を食草としています。
クスノキ科の植物には次のようなものがあります。
- クスノキ
- タブノキ
- シロダモ
- ヤブニッケイ……など
クスノキ科の植物は成長すると非常に大きくなるため、庭植えにはあまり適していません。
ただ、クスノキ科の植物は街路樹としてよく利用されているので、都市部でもよく見かけます。
もし自宅のまわりの街路や公園などにクスノキなどが植えられていれば、アオスジアゲハが庭に訪れる可能性が高まります。
アオスジアゲハが好む蜜源植物を庭に植えて、訪れるのを待ちましょう。
それでもクスノキ科の植物を育てて、アオスジアゲハのライフサイクルを観察してみたい場合は、大きな鉢で育てる方法がおすすめです。
幼虫は若くて柔らかい葉を好むため、定期的な剪定を行うと効果的です。
成虫が好む蜜源植物
蝶の成虫は、花の蜜を主なエネルギー源としています。
しかし、すべての花が蝶にとって魅力的というわけではありません。蝶が好む花にはいくつかの条件があります。
- 蜜が豊富に含まれていること:蝶は蜜の多い花を好みます
- 蜜を吸いやすい形状であること:蝶が簡単に蜜を吸える形状の花が魅力的です
このような蝶が好んで蜜を吸う花を「蜜源植物」や「吸蜜植物」または「吸蜜源植物」と呼びます。
アオスジアゲハに人気があるとされる蜜源植物には、次のようなものがあります。
- バーベナ・ボナリエンシス(サンジャクバーベナ)
- ランタナ/コバノランタナ
- ムシトリナデシコ
- ブッドレア
- 百日草(ジニア)
- フジバカマ
- アベリア
- コスモス/キバナコスモス
- ヤブガラシ
- トベラ
- アザミ……など
この他にも、さまざまな蜜源植物があります。
庭に植える花を選ぶ際には、成虫が活動する5月から10月の間、常に花が咲いている状態を目指して、異なる花期の植物を組み合わせましょう。
アオスジアゲハのような大型の蝶はある程度の高さがある花を好むように思います。
草丈が高い植物や低木を植えたり、鉢植えの花を少し高い位置に配置したりすることで、大型の蝶を引き寄せる効果が期待できます。
チョウは、花に蜜があるかどうかを紫外線で確認できると言われています。花は紫外線を反射する特殊なパターンを持っており、これが「着陸マーク」となってチョウを誘導します。
チョウが好む花の色の研究もされていて、一説によると、アオスジアゲハは白系の花を好む傾向があるようです。
私の庭でのアオスジアゲハは、ランタナ、コバノランタナ、アベリア、ヤブガラシなどでよく吸蜜しているよ。
蝶が好む花「蜜源植物」に関する記事を一覧でご紹介しています。
アオスジアゲハが舞う庭を作るためのヒント
蝶は種類によって生息している環境が異なります。
蝶を庭に招くためには、その蝶が自然に暮らしている環境を参考にすると良いでしょう。
アオスジアゲハは、日当たりの良い明るい林縁環境を好みます。
林縁環境とは、森や林などの樹林から、草原のような草地へなだらかに移行していく、その中間のような環境のことです。
このような生息環境に寄せて庭をデザインしましょう。
- 日当たりと風通しを確保し、庭全体に開放感を持たせる
- 大型の蝶が羽ばたいたり滑空したりできる空間を確保する
- アオスジアゲハを惹きつける蜜源植物や食草をバランスよく配置する
- 成虫が活動する5月から10月の間に花が咲き続けるよう、植物の選定と手入れを行う
さらに、無農薬でのガーデニングを心がけることで、アオスジアゲハにとって安全で快適な環境を提供することができます。
バタフライガーデンづくりの最初の一歩を解説した記事です。
まとめ
アオスジアゲハは、水色のステンドグラスのような美しい翅が魅力的な蝶です。
この記事で紹介した1つの特徴を押さえれば、アオスジアゲハを何度か観察するうちに、自信を持って識別できるようになるでしょう。
また、幼虫の食草や成虫の蜜源植物を植えることで、あなたの庭にもアオスジアゲハを招くことができます。
ぜひ、アオスジアゲハが舞う庭づくりに挑戦してみてください。
皆さんのガーデンにやって来たアオスジアゲハの様子や、好んでいる花などについて、ぜひコメントでシェアしていただけると嬉しいです!
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