千日紅は蝶が好きな花! 特に好まれる種類の紹介や育て方、種まきについて

千日紅の鉢植え01
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千日紅は、初夏から晩秋にかけて長い期間にわたって丸くて可愛らしい花を咲かせることで、多くのガーデナーから愛されています。

しかし、それだけではありません。

千日紅はにとっても魅力的な花なのです。

千日紅は花の蜜が豊富で、蝶が蜜を吸いやすい花の形をしているので、蜜源植物として蝶からも好まれています。

蝶が好きな花を植えると、住宅地の庭やベランダにも蝶はやって来ます。

お庭やベランダに蝶が舞う光景は、ガーデニングの楽しさを一層引き立ててくれるでしょう。

この記事では、千日紅の中でも特に蝶に好まれる種類の紹介や、その育て方のポイントについて詳しく紹介します。

また、後半では、より多くの蝶をガーデンに招くための具体的な方法についても触れています。

千日紅をガーデンに取り入れて、花と蝶たちが織りなす美しいバタフライガーデンをつくってみませんか?

蝶が好きな花、千日紅

千日紅のキャプション
千日紅(英名:Globe Amaranth)

バタフライガーデンをつくる上で重要なポイントの一つは、蝶が好む花を選ぶことです。

特におすすめしたいの花の一つが、千日紅Gomphrena)です。

千日紅はヒユ科の一年草または多年草(宿根草)で、原産地の多くは熱帯各地です。

暑さには比較的強いですが、寒さには弱く一部の品種以外は越冬しません。

千日紅の魅力の一つは、その長い開花期間です。

5月~11月にかけて次々と花を咲かせ、ガーデンを彩ってくれます。

千日紅はドライフラワーにしても色が褪せにくいため、リースなどでも楽しまれています。

蝶が特に好む種類は、宿根草の千日紅

いろいろな千日紅01

蝶に好まれる千日紅の原種園芸種をご紹介します。

蝶に好まれる千日紅の原種には次のようなものがあります。

ゴンフレナ・グロボーサ(Gomphrena globosa)

  • 最も一般的な種類で、多くのガーデンで見かけることができます。赤紫、ピンク、白などのカラフルで球状の花を咲かせます。蝶にとても人気があります。
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ゴンフレナ・ハーゲアナ(Gomphrena haageana)

  • キバナセンニチコウと呼ばれ、オレンジ色や赤色の花を咲かせます。背丈が高くなるタイプで、大型の蝶も訪れやすいです。
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ゴンフレナ・セリケア(Gomphrena serrata)

  • 小ぶりの花が特徴で、赤紫や白の花を咲かせます。背丈は低め。小型の蝶やミツバチも集まりやすい種類です。
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蝶に好まれる千日紅の園芸品種には次のようなものがあります。

ゴンフレナ ‘ストロベリーフィールズ’(Gomphrena ‘Strawberry Fields’)

  • ハーゲアナの系統で、鮮やかな朱色の花を咲かせます。背丈が高くなるタイプで、大型の蝶も訪れやすいです。蝶にとても人気があります。
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ゴンフレナ ‘ファイヤーワークス’(Gomphrena ‘Fireworks’)

  • 紫がかったピンク色の花に黄色の点があり、形状も特徴的です。背丈が高くなるタイプで、大型の蝶も訪れやすいです。蝶にとても人気があります。霜に当てなければ越冬できるため、宿根千日紅とも呼ばれています。
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ゴンフレナ ‘ラブラブラブ’(Gomphrena ‘ラブラブラブ’)

  • 鮮やかなピンク色の花にオレンジ色の点が特徴的です。分枝性が良く、たくさんの花を咲かせます。蝶にとても人気があります。
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蝶は蜜を紫外線や花色で見つける

千日紅の蜜を吸うヒメアカタテハ
千日紅の蜜を吸うヒメアカタテハ

蝶は紫外線を見ることができるため、人間とは違う色彩の世界を見ています。

紫外線によって蜜があるかどうかを見分ける能力があり、同時に、優れた色覚を持つため、色でも花を見分けています。

蝶の種類によって好む色が違うとも言われているので、どの花色にどんな蝶がよく来ているか観察してみるのも楽しいですよ。

千日紅にやって来る蝶は小型~大型まで幅広い

蝶は小型のものは地面近くで活動し、大型のものは高く舞い上がる傾向があります。

おすすめの千日紅には、中~高性の背丈のものが多いですが、こんもりと全体に花を咲かせるので、小型から大型まで様々なサイズの蝶が蜜を吸う姿が見られます。

千日紅は日当たりの良い場所で栽培する植物なので、日当たりを特に好む蝶が多く訪れます。

にゃらっぱ
にゃらっぱ

私のガーデンでは、大きな鉢に千日紅ゴンフレナ・グロボーサ)を寄せ植えしています。

ヤマトシジミに大変人気で、秋になってヤマトシジミの数が増えてくると、ときには、ヤマトシジミが咲いているかのようになります。

千日紅の育て方

麦わら帽子に飾り付けた千日紅

千日紅を美しく健康に育てるためには、適切な植え方と丁寧なケアが必要です。

特にバタフライガーデンでは、農薬を使えないため、予防が大切です。

花を長く楽しむためにも、適切な管理を行いましょう。

千日紅を健康に育てるための覚書

千日紅は丈夫な植物で、比較的育てやすいです。

以下のポイントを押さえて丈夫で健康に育てましょう。

  • 日当たりを好む、よく日光に当てた方が花付きが良くなる
  • 乾燥には強いが、加湿を嫌うので、水はけを良くする
  • 立ち枯れ病を防ぐためにも、深植えは厳禁
  • 花期が長いので、適宜肥料を与え、サポートする
  • ぐらつく場合は支柱を立てて、株を固定する

‘ファイヤーワークス’に当てなければ、越冬が可能です。

キバナセンニチコウの系統(ハーゲアナ‘ストロベリーフィールズ’)は、室内に取り込むなどして3℃が保てれば冬越しが可能です。

バタフライガーデンでは病害虫の予防が大切

千日紅のリース01

蝶のようなサイズの命は農薬の影響を受けやすいため、バタフライガーデンでは農薬を使用しないようにします。

植物が病気になる前の予防に努めましょう

千日紅がかかりやすい病気

千日紅は比較的病気に強いですが、注意が必要な病気もあります。

  • 立枯病

一般に、病気は泥跳ね密植加繁茂多湿などが原因となります。

病気の予防のためにできる工夫

立枯病には加湿が大敵なので、予防として排水性の良い土づくりを心がけます。

苗の深植えは厳禁です。

また、過密な植栽を避け、通気性を良くします。

肥料の与えすぎも良くありません。

特に、窒素肥料や土壌水分が過剰だと、葉が茂りすぎる加繁茂になってしまい、風通しが悪くなり、病気の一因ともなってしまいます。

千日紅02

千日紅につきやすい虫

定期的に植物を観察し、大きな問題を引き起こすような虫がついていないかチェックすることも重要です。

千日紅は比較的虫の被害は少ないですが、次の虫には注意が必要です。

  • ハダニ
  • ナメクジ

害虫のためにできる工夫

ハダニは、高温乾燥時によく発生するので、葉の裏側への葉水が有効と言われています。

増えてしまうと対処が難しくなってしまうので、こまめにチェックをし、葉の裏を洗い流すように水をかけましょう。

アブラムシに困っているときはテントウムシに助けてもらいますが、ナナホシテントウは、ハダニも食べるようです。

アブラムシに対するほどの効果は望めないかもしれませんが、困ったときには、ナナホシテントウを探してみましょう。

にゃらっぱ
にゃらっぱ

ナナホシテントウを見かけたら、ハダニがたくさんついてしまっているところへ、そっと移動してもらうといいですよ。

成虫は翅があるので気ままに飛んで行ってしまいますが、幼虫には翅がないので、そこに留まってくれます

千日紅の苗がまだ小さい梅雨時は、ナメクジにも注意してください。

ナメクジは夜行性なので、昼間は鉢底などに隠れています。

見つけたら、どこか遠くへ移動してもらってください。

千日紅の増やし方

千日紅の苗

千日紅は種まきで増やすのが一般的です。

宿根草の’ファイヤーワークス’は挿し木が可能です。

種まき

千日紅の種まきの難易度は中くらいです。

発芽適温が20~25度くらいと高めなので、十分に気温が上がってから蒔きましょう。

種はとても小さいので、覆土は厚すぎないようにし、発芽するまで蒔き床が乾かないように管理します。

環境にもよりますが、発芽日数は1~2週間です。

自家採取した千日紅の種子は、風に飛ばされるための白い翼で覆われています。

除去して市販品の種のようにクリーンシードにしてから蒔いた方が発芽率が良いようです。

挿し木

初夏に、挿し木用土などの清潔な土に、2~3節ほどに切って水あげした枝を挿します。

発根促進剤などを使いたい場合いは、メネデールなど農薬扱いではない商品がオススメです。

葉が大きい場合は、蒸散を防ぐために半分ぐらいにカットすると良いでしょう。

発根するまでは、挿し床が乾かないように管理します。

より効果的に蝶を招くには

千日紅の咲く花畑に舞う蝶

千日紅は蝶にとって非常に魅力的な植物ですが、他の蝶を惹きつける植物も組み合わせて植えることで、より豊かなバタフライガーデンをつくることができます。

蝶を惹きつける植物には、大きく分けて「蜜源植物」と「食草」の二種類があります。

千日紅と一緒に植えたい、蝶の蜜源植物

蝶の蜜源植物には、千日紅のように身近なものがたくさんあります。

身近な夏の一年草
  • 百日草(ジニア)
  • コスモス
  • マリーゴールド
  • ブルーサルビア
  • メランポジウム
宿根草
  • フロックス
  • モナルダ(タイマツバナ)
  • リアトリス
  • フジバカマ
  • エキナセア
バタフライガーデンの鉄板植物
  • ブッドレア(バタフライブッシュ)
  • バーベナ・ボナリエンシス/バーベナ・リギダ
  • ランタナ/コバノランタナ
  • ムシトリナデシコ(コマチソウ)

蜜源植物は、この他にもまだまだあります。

いくつか組み合わせて植えることで、蝶にとって、より魅力的なガーデンをつくることができます。

蝶が好きな花「蜜源植物を扱った記事を一覧で紹介しています。

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蜜源植物について書かれた蝶が来る庭』というの紹介記事です。

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蝶を呼ぶ力は、食草が最強

幼虫が食べた痕のある葉01

蝶の幼虫は特定の植物を食べて成長します。

それらの植物のことを「食草」や「食樹」といいます。

蝶のメスは卵を産むために自分たちの食草を探しているため、食草を植えることで、蝶がやって来る確率はぐっと高まります。

蝶の種類によって、食草の種類も違います。

例えば、アゲハチョウならミカン科の植物、モンシロチョウならアブラナ科の植物が食草です。

住宅地の庭やベランダにもやって来る「身近なチョウ」の中で、ガーデンに呼んでみたい蝶がいるのなら、その蝶の食草を植えてみてください。

幼虫が苦手でない方には、オススメの方法です。

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蝶が好む環境作り

日当たりのよいナチュラルガーデン01

バタフライガーデンを魅力的なものにするためには、蝶が好む環境を整えることも重要です。

例えば、日当たりや植物の茂り具合を蝶の生息環境に寄せてデザインしたり、休憩場や風よけとなる低木や茂みをつくったり、自然と調和するエコなガーデニングを模索したり。

あれかこれかと、蝶のおもてなしを考え出すと、楽しみは尽きません。

お庭やベランダを、バタフライガーデンに

バタフライガーデン12

この記事では、蝶が好む千日紅の種類や栽培法、より多くの蝶をガーデンに招くためのポイントについてご紹介しました。

千日紅は、蝶にとって魅力的な花であり、ガーデンに植えることで、多くの蝶を引き寄せることができます。

植物は本来、蝶や蜂などの受粉者を引き寄せるために花を咲かせています。

バタフライガーデンでは、植物や蝶の美しさを堪能できるだけでなく、自然の営みの中に、自分が一員として繋がっているような喜びを感じることができます。

蝶が好む千日紅をガーデンの一角に植えることから、バタフライガーデニングを始めてみませんか?

バタフライガーデンづくりの最初の一歩はこちらの記事からどうぞ。

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にゃらっぱ
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ガーデナー
園芸店などで苗に一目惚れすると買わずにはいられなくなってしまい、庭が大変混雑してしまっているガーデナー。

年々、自然との調和がとれるガーデニングに喜びを感じるようになり、今はバタフライガーデンづくりに夢中。

庭にやって来た蝶がおいしそうに蜜を吸っているのを見ると、至福!

今日も今日とて蝶を招いている。
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