図解でわかる!ベニシジミを見分ける2つの特徴|好む花や食草を植えて庭に招こう

ベニシジミのアイキャッチ画像
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「あの蝶は、何という蝶なのだろう?」

庭や公園で優雅に舞う蝶に出会って、その名前を知りたい種類を見分けられたらと思ったことはありませんか?

蝶を識別できれば、その蝶が好む植物を庭やベランダに植えて、招くこともできます。

この記事では、「ベニシジミ」の生態と、見分けるための2つの特徴を、図解を交えてわかりやすく解説します。

また、ベニシジミが好む花食草についても紹介し、あなたの庭にベニシジミを招くためのアイデアを提案します。

この記事を読めば、次にベニシジミを見かけたとき、きっと自信を持って見分けられるようになり、その魅力をもっと深く楽しむことができるでしょう。

ベニシジミの生態や習性

ベニシジミのキャプション
ベニシジミの基本情報

学名: Lycaena phlaeas

科名:シジミチョウ科

サイズ:小型

成虫の出現時期:3~11月(東京近郊)

年間の発生回数:多化性

越冬態:幼虫

分布:北海道・本州・四国・九州

生息環境:明るく開けた草原環境

幼虫の食草:タデ科

成虫の食性:訪花性が高く、各種の花を訪れる

飛び方:低い場所を、小刻みに羽ばたきながら活発に飛翔する。あまり長くは飛ばない。

日当たりの良い草上や地上で、翅をひろげて日光浴する姿を観察できることも多いです。

ベニシジミを見分ける2つの特徴

ベニシジミの識別図解D
ベニシジミの識別図【表】
ベニシジミの識別図解V
ベニシジミの識別図【裏】
特徴

① 全体の色や模様

【表】黒褐色に、橙色部が広がる

【裏】表側では黒褐色の部分が灰白色となる

春型と秋型は橙色が明るく鮮やかだが、夏型は表翅全体が黒っぽくなる

特徴

② 小型

橙色が印象的な「身近なチョウ」は何種かあるが、小型なのは本種

もし、橙色が印象的だが割と大きいと感じたら、タテハチョウの仲間かも

補足

オスかメスかは腹部や翅の丸みなどで識別するが、遠目で見分けるのは難しい。

身近なチョウ」の中には、ベニシジミに似たチョウはあまりいないため、比較的見分けやすいと思いますが、もう少し大きめで、同じく橙色が印象的なチョウとしては、タテハチョウ科のキタテハアカタテハ」「ヒメアカタテハ」「ツマグロヒョウモン」などがいます。

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ベニシジミを惹きつける植物

ナチュラルガーデン07

自宅の庭やベランダに蝶を招きたいなら、その蝶を惹きつける植物を植えるのが効果的です。

蝶を惹きつける植物には、「食草」と「蜜源植物」の二種類があります。

幼虫のための食草成虫のための蜜源植物を両方揃えることで、ベニシジミが好んで訪れる庭をつくることができます。

幼虫の食草

幼虫が食べた痕のある葉01

蝶の幼虫は特定の植物を食べて成長します。

これらの植物は食草食樹と呼ばれます。

蝶のメスは卵を産むために自分たちの食草を探しているので、ガーデンに食草を植えると蝶が訪れる確率がぐっと高まります。

食草は、蝶の種類によって異なります。

ベニシジミの幼虫は、タデ科の植物を食草としています

ベニシジミの幼虫が好んで食草とするタデ科の植物には次のようなものがあります。

  • ギシギシ
  • スイバ
  • ヒメスイバ……など

タデ科の植物は、雑草として扱われているものが多く、特にギシギシは根が広がりやすく繁殖しやすいため、庭に植えると手入れが大変になることがあります。

そのため庭植えにはあまり向いていません

しかし、タデ科の植物は道端や公園などによく見られるため、自宅のまわりに草地があれば、ベニシジミが庭に訪れる可能性も高まります。

ベニシジミが好む蜜源植物を庭に植えて、訪れるのを待ちましょう

それでもタデ科の植物を育てて、ベニシジミのライフサイクルを観察してみたい場合は、地植えではなく、鉢植えで管理するのがおすすめです。

川の土手や田畑の畦道などに自生している植物たちなので、庭の中で日当たりは良いがやや湿った場所で育てると良いでしょう。

にゃらっぱ
にゃらっぱ

ベニシジミの幼虫には、葉の保護色のような全身緑色の型と、背中や輪郭がピンク色に縁取られている型があります。
どちらが現れるか楽しみですね。

成虫が好む蜜源植物

タンポポ01

蝶の成虫は、花の蜜を主なエネルギー源としています。

しかし、すべての花が蝶にとって魅力的というわけではありません。蝶が好む花にはいくつかの条件があります。

  • 蜜が豊富に含まれていること:蝶は蜜の多い花を好みます
  • 蜜を吸いやすい形状であること:蝶が簡単に蜜を吸える形状の花が魅力的です

このような蝶が好んで蜜を吸う花を「蜜源植物」や「吸蜜植物」または「吸蜜源植物」と呼びます。

ベニシジミに人気があるとされる蜜源植物には、次のようなものがあります。

  • タンポポ
  • シロツメクサ
  • ハルジオン
  • ヒメジョオン
  • ヘビイチゴ
  • ノコギリソウ(アキレア)
  • アザミ
  • ルドベキア
  • ブッドレア
  • ヨメナ
  • フジバカマ
  • オミナエシ/オトコエシ
  • ハーブ類(ミント、タイム、オレガノなど)
  • センニチコウ
  • メランポジウム
  • マリーゴールド
  • クジャクアスター
  • ノコンギク
  • ツワブキ……など

この他にも、さまざまな蜜源植物があります。

庭に植える花を選ぶ際には、成虫が活動する3月から11月の間、常に花が咲いている状態を目指して、異なる花期の植物を組み合わせましょう。

ベニシジミは、小さな体ながら活発に花を訪れて蜜を吸うチョウで、草丈が低く、小さな花をたくさん咲かせる草本植物を特に好むようです。

チョウは、花に蜜があるかどうかを紫外線で確認できると言われています。花は紫外線を反射する特殊なパターンを持っており、これが「着陸マーク」となってチョウを誘導します。

それぞれのチョウが好む花の色の研究も進んでいるようです。

にゃらっぱ
にゃらっぱ

私の庭では、ベニシジミの吸蜜をまだ数回しか目撃していないけれど、ノコギリソウメランポジウムブッドレアを利用していたよ。

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ベニシジミが舞う庭を作るためのヒント

日当たりのよいナチュラルガーデン01

蝶は種類によって生息している環境が異なります。

蝶を庭に招くためには、その蝶が自然に暮らしている環境を参考にすると良いでしょう。

ベニシジミは、人家周辺や公園、農地周辺の明るい草原によく見られます。このような生息環境に寄せて庭をデザインしましょう。

  • 日当たりと風通しを確保し、草地のような開放感を持たせる
  • ベニシジミを惹きつける蜜源植物や食草をバランスよく配置する
  • 成虫が活動する3月から11月の間に花が咲き続けるよう、植物の選定と手入れを行う
  • 冬には幼虫の越冬対策として、食草に霜よけを施す

さらに、無農薬でのガーデニングを心がけることで、ベニシジミにとって安全で快適な環境を提供することができます。

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まとめ

ベニシジミ1

ベニシジミは、橙色が鮮やかで小さく可愛らしい蝶です。

この記事で紹介した2つの特徴を押さえれば、ベニシジミを何度か観察するうちに、自信を持って識別できるようになるでしょう。

また、幼虫の食草や成虫の蜜源植物を植えることで、あなたの庭にもベニシジミを招くことができます。

ぜひ、ベニシジミが舞う庭づくりに挑戦してみてください。

皆さんのガーデンにやって来たベニシジミの様子や、好んでいる花などについて、ぜひコメントでシェアしていただけると嬉しいです!

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にゃらっぱ
にゃらっぱ
ガーデナー
園芸店で苗に一目惚れすると、買わずにはいられなくなってしまい、庭が大混雑してしまっているガーデナー。

年々、自然と調和がとれるガーデニングに喜びを感じるようになり、今はバタフライガーデンづくりに夢中。

庭にやって来た蝶がおいしそうに蜜を吸っているのを見ると、至福!

今日も今日とて蝶を招いている。
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